精神的にしんどいときはどうしたらいいの?

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生活保護を受けて生活してみると、住む場所や食事には困らないものの、最低限の生活費で生活していかなければならず、ずっとこのまま何もできず死んでいくのかと悲観的になる方も少なくありません。

生活保護受給者の中には、お金のことではなく、「精神的にしんどくてどうしようもない」と、相談してくる人もたくさんいて、そんな人には、まずはじっくり話を聞いてから、できる限りの生活のサポートをします。

今回は、「精神的にしんどいときはどうしたらいいのか」と疑問を持つ方に、鬱病と生活保護の関係について紹介します。

精神的にしんどいときはどうしたらいいの?

まずは家から通える生活保護でも通院可能な心療内科を探して、精神的な不調について医師に相談します。もしも精神的な不調のせいで働けないのであれば、必ず病院へ行く必要があります。

水嶋さら
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生活保護受給者には「療養専念の義務」といって、病気を治すために通院する義務があります。

次の通院が決まったら、最寄りの保健所などで「自立支援医療」を申請する必要もあります。この制度は、生活保護を受給していなくても利用することができる医療費負担額の軽減制度ですが、生活保護受給中に心療内科にかかる場合もこの制度を利用して通院するように指導されます。自立支援医療を申請すると、毎回福祉事務所に医療券をもらいく行く必要がなくなる、というメリットもあります。

通院して服薬を続けてもあまり改善しない場合は、下のように他にできることも検討してみる必要があります。

保健師からの支援を受けてみる

保健師は、地域の保健所に所属している専門職の公務員です。保健所は、役所の一部で、地域に密着した健康支援機関として運営されています。

保健師に精神的な不調について相談すると、その人の病状にあった支援を考えてくれます。ケースワーカーよりもメンタルヘルスについての知識が深いため、心療内科や地域の支援団体を紹介してくれたり、ストレス管理やメンタルヘルスについての情報提供を受けることが期待できます。

水嶋さら
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自分から直接連絡することに気が引ける場合は、ケースワーカーに紹介してもらう方法もあります。

保健師は、メンタルヘルスに関する相談のほか、健康診断の運営、イベントの開催、母子に関する相談対応など、幅広い業務を担当しているため、基本的にはとても忙しいです。熱心な保健師に当たれば、丁寧なサポートが受けられるし、そうではない場合は、あまり相手にされないことも。

というのも、メンタルヘルスに関する相談業務は、大変な目にあうことが多い仕事だからです。

昔、一人の保健師に執着したアルコール依存症の中年男性がいて、昼夜問わず保健所に押しかけてきていました。ずーっと話続けていたと思えば、泣き出して暴れたり、やっと帰ったと思っても、しつこく何度も電話をかけてきたり。それが1年、2年と続くと、精神的に疲弊してきます。

このため、相手から「執着される」ことを避けて業務をこなす保健師が多いです。

精神保健福祉センターを利用してみる

保健所で受けられる支援が十分でない場合は、精神保健福祉センターの利用も検討できます。

精神保健福祉センターは、精神疾患を持つ人々が必要な治療や支援を受けられる施設です。

1つの都道府県に2~3か所しかないため、知らない人がほとんどですが、カウンセリングやグループワーク、社会復帰支援などの支援が受けられます。

自助グループの利用

自助グループとは、同じ精神疾患を抱えた人々が集まり、お互いに支援し合うグループです。

アルコールやギャンブル依存症、うつ病やパニック障害、双極性障害、統合失調症など、様々なグループがあります。

自助グループは、専門家による治療とは違って、参加者同士が互いに話し合い、経験や情報を共有することができるため、悩みや困りごとを共有しやすいというメリットがあります。自助グループについての情報は、精神保健福祉センターなどで得ることができます。

なかには、自分と似たような人たちを見ることに嫌気がさして、「自助グループなんて嫌いだ」と言う人もいますが、「誰にも言えなかった悩みを話せる仲間ができて安心した」という人も。

訪問看護の利用

訪問看護は、看護師が自宅に来て、服薬や体調管理のサポートを行うサービスです。

自分の生活環境で治療やケアを受けることができるため、通院の負担を減らすことができることがメリットです。

基本的には自力で通院できない高齢者や身体障害者などが利用しますが、精神疾患を持つ人々も多く利用しています。精神疾患を抱えた人が訪問看護を利用する場合は、主に下のようなサービスを受けます。

服薬支援
正しく薬を服用できるようサポートしてくれます。
生活支援
健康的な生活習慣のアドバイスや、食事や入浴などが難しい場合には、サポートもします。
医師や専門家と連携を取りながら、患者の状態を定期的に評価し、生活する上で必要な情報や支援も提供します。必要に応じて医師や専門家につなぐこともあります。
自立支援
病状が安定してきたら、社会復帰にむけてのサポートをします。

利用を希望する場合は、通院しているクリニックや保健師に相談してください。

精神疾患で訪問看護を利用している人の中には、「誰とも会いたくない」という日が多くある人もいますが、そんな日は訪問をキャンセルして、誰かに話を聞いてもらいたいときに訪問してもらっています。

来てほしくない時に無理に来たりはしないこと、患者さんの気持ちに寄り添ってくれることもメリットです。

デイケアの利用

デイケアは、依存症やうつ病などの精神疾患があり、通院だけでは十分なケアができない患者さんが専門的な治療や支援を受けられる場所です。

通常の診療とは違って、リラックスした環境で気軽に参加することができるのも特徴で、医師・看護師・カウンセラーなどの専門家による治療や支援が行われます。カウンセリングやグループセラピー、認知行動療法、作業療法のほか、患者の社会復帰に向けた就労支援やレクリエーションなども行われます。

時間帯は様々で、週に数時間のものから毎日朝から晩までのものも。例えば軽度のうつ病であれば週1回、重度のアルコール依存症であれば、毎日朝から晩まで通うなど、その人の病状によって利用頻度が変わってきます。

施設によって受けられるプログラムが変わってくるため、自分に合ったデイケア施設を見つけ、継続的に通う必要があります。

水嶋さら
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利用を希望する場合は、通院しているクリニックかケースワーカー、保健師などに相談してください。

「家にいるとお酒のことを考えてしまうので、朝から晩までデイケアに通うように病院から指示されている」と、毎日欠かさずに通う人もいれば、「デイケアに行くと食事が出るし光熱費も少しは浮くから」と、食費や光熱費の節約もかねて通っている人もいます。

精神障害者保健福祉手帳の取得

精神障害者保健福祉手帳は、精神障害を持つ人が、社会的な支援を受けるために持つものです。

水嶋さら
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身体に障害のある人が身体障害者手帳を持っていることと同じ役割をしています。

主治医から精神疾患や発達障害などの診断をされたら、市区町村の福祉課や保健所などで申請することができます。

手帳には、1級・2級・3級の3つがあり、その程度に応じて障害者福祉サービスや減免制度などの様々な特典が受けられます。

水嶋さら
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例えば福祉サービスの利用が優先されたり、公共料金の減免制度を利用できるなどです。

また、精神障害者保健福祉手帳が1級や2級の場合は、生活保護費に加算がつけられ、もらえるお金が増える可能性もあります。

障害年金の受給

障害年金は、精神疾患等が原因で生活に支障が出ている場合に、65歳以下の若者でも受け取ることができる年です。

障害年金には、「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気で初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金保険に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。

水嶋さら
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障害年金を受給できるようになって生活保護を抜けた人もたくさんいます。

手続きは最寄りの年金事務所で行いますが、ケースワーカーに相談すると手続きをサポートしてくれることがあります。

精神病院への入院

様々なサービスを利用しても改善が見られない場合は、精神病院へ入院するという選択肢もあります。入院すると、より手厚いサポートが受けられますが、デメリットもあります。

精神入院のデメリット
  • 1か月以上入院すると生活保護費が減額される 入院中は食事や水道光熱費がかからないため、生活保護費の基準額も減ってしまいます。
  • 6か月以上入院すると、住宅費が支給されない 長期入院が必要な患者は、部屋を引き払い、退院のめどが立つまで病院で生活することが一般的です。このため、半年以上に入院が長引くと、住宅費が支給されなくなります。

「精神入院」と聞くと、重症の人ばかりがいるイメージですが、短期間入院で症状が良くなって退院する人もたくさんいます。反対に、治る見込みのない統合失調症やアルコール依存症のため、何十年も病院で過ごし、そのまま生涯を終える人もたくさんいます。

施設への入所

長期的な治療が必要な場合は、施設に入るという選択肢もあります。施設にも下のようにいろいろな種類があります。

救護施設
身体障害者、知的障害者、精神障害者などが長期的に暮らすことができるリハビリ施設です。
食事・入浴・排泄・移動などの生活上の支援や、医療的なケア、リハビリのほか、レクリエーションや趣味活動などもあります。
入所してから一生をここで終える人も多くいます。
更生施設
社会復帰を目指すためにさまざまな生活上の支援を受けられる施設です。
救護施設と違って、一生を過ごせる場所ではありません。社会復帰に向けた様々なプログラムが用意されています。例えば、職業訓練や就労支援、社会生活スキルの習得、アルコールや薬物などの依存症の治療、心理カウンセリングなど。
犯罪被害者に対する被害者支援や、犯罪に関する認識改善のための講義なども行われています。
グループホーム
入居者同士が家庭的な雰囲気で交流しながら、生活支援や心のケアを受けることができる施設です。知的障害、発達障害、精神疾患を持つ人や高齢者が利用します。
食事や掃除、洗濯などの家事のサポート、医師や看護師による健康管理、精神科医やカウンセラーによる相談などのほか、スタッフが24時間体制で対応してくれる安心感もあります。
自立して社会生活を送るための職業訓練や就労支援、趣味やスポーツ活動などのプログラムが提供されることもあり、入居者一人ひとりに合わせたサポートが提供されます。

辛い時は新しいサポートに頼ってみよう

生活保護を受けている人がうつ病になった場合でも、精神医療をはじめ、様々な支援を受けることができます。自治体の自治体の支援内容や方法は、地域によって異なるため、まずは自身が属する地域の担当窓口に相談することが重要です。また、うつ病になってからでも支援を受けることができますので、まずは相談し、必要な支援を受けることが大切です。

なお、うつ病になった場合は、早期の治療が大切です。治療法には、薬物療法や認知行動療法、精神療法などがあります。自身がうつ病になったと感じた場合は、まずはかかりつけ医や保健所などに相談し、適切な治療を受けることが重要です。 また、うつ病の予防には、適度な運動や睡眠、バランスのとれた食生活、ストレスを溜め込まないようなコミュニケーションなどが重要です。定期的な健康診断も行い、自身の健康状態を確認することも大切です。

この記事を書いた人

社会福祉士・認定心理士の水嶋さらです!
1980年代生まれのアラフォー。都内在住。

これまで、福祉事務所や児童福祉施設、更生施設など、様々な福祉現場で働いてきました。
このサイトでは、生活保護を受けている方や、これから受けたい方に役立つ情報を発信していきます。

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