コロナ、物価高、低賃金・・・不安定な状況が続く中、もう今月の生活費がない!と途方に暮れたことはありませんか?
働きたくても病気で動けない・子どもが小さくて仕事ができない・多額の借金で身動きが取れない、など、色々な事情がある人もいます。どうしようもないまま相談する人もおらず、犯罪に走ってしまったという悲しいニュースもあとを絶ちません。
今回は、「生活保護の申請をしたら審査に落ちることはあるのか」と悩んでいる方に、生活保護の審査の実情について紹介します。
生活保護の申請をしたら審査に落ちることはあるの?
生活保護の申請が終わった後気になるのは、「落ちてしまうことはあるのか」ということ。
答えは、「きちんと相談した上で申請したのであれば落ちることはほぼない」と言えます。
収入や資産があったり、不正受給の可能性がある場合は生活保護が受けられないと言われていますが、この場合には相談の段階で断られることが多いです。
相談した上で申請に進んだのであれば、審査で落とされることはほぼありません。なぜなら、審査期間が短いこと・人の命に関わる制度でもあるため、申請を認めることよりも却下することの方がはるかにリスクが高いからです。
審査期間はどれくらい?
きちんと相談した上で申請に進んだのであれば審査で落とされることがあまりない理由は、審査期間が短いこともひとつの原因です。審査にかけられる期間は、申請してから2週間。この間に、戸籍調査や銀行口座の調査など、必要な調査を終えることはできません。
本人が申請を取り下げたいとか、死んでしまったとか、いなくなってしまった場合以外、よっぽどのことがなければ審査に落ちることはありません。
けれど、生活保護が晴れて開始になっても、後の調査で不正受給が見つかった場合には、生活保護は打ち切りになり、悪質な場合には刑事告訴されてしまいます。
不正受給には厳しい罰則があります。
審査の後の流れは?
審査が終わった後、通常は下のような流れで生活保護の開始が決定されることになります。
通知 | 審査が終わると、福祉事務所から申請者に、生活保護の決定通知書が届きます。
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支給 | 生活が決定してから1週間程度で、最初の生活保護費が支給されます。現金で手渡されるのが一般的ですが、次回以降は銀行口座に振り込みをしてもらうことができます。
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継続調査 | 一定期間ごとに、申請者の生活状況や収入状況が再度調査され、生活保護の継続支給が決定されます。 |
審査がとおればあとは安心なの?
生活保護の申請が通れば、生活保護が受けられるようになり、お金がもらえます。
けれど、それが不正受給だった場合には、すぐに見つかって生活保護は打ち切り。もらったお金は返すように請求され、悪質だと判断されれば警察に捕まることも。
なので、審査が甘いから誰でも簡単に生活保護を受けられるというのは誤りで、最初の審査は通りやすいけれど、不正はあとで必ずバレて痛いペナルティを受けることになる、というのが正解です。
これまで受け取った生活保護のお金に加えて、罰金を請求されることもあります!
万が一審査に落ちてしまったらどうしたらいいの?
万が一審査に落ちてしまった場合にも、救済措置はあります。
「審査請求」です。
審査請求とは、生活保護の審査が正しかったのかどうかを「審査」してもらうことの請求。審査した自治体よりも大きな自治体、例えば都知事や県知事に審査請求することになります。
請求は審査に落ちたことを知った日の翌日から3か月以内にしなければならないというルールがあります。
審査に落ちてしまった場合は、申請をした福祉事務所から郵送される却下通知書に、審査請求の方法が記載されています。
申請が終わったら、生活保護のスタートに向けて準備しよう
生活保護が始まると、お金がなくて通院できなかった人は治療に専念する必要があるし、仕事が見つからなかった人は、長く働ける場所を探して自立を目指す必要があります。生活保護がスタートした後の生活に向けて、病院探しや仕事探しなど、次の準備を進めていきましょう。
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