生活保護を受けていたら、布団やエアコン、炊事用具などの家財は支給してもらえるの?

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生活保護を受けて過ごしていると、「こういった場合は生活保護費とは別にお金を出してもらえるのかな?」と、疑問に思うことがありませんか?生活保護というと、毎月決まった日にお金が支給されて、その中で生活をやりくりするというイメージがありますが、生活費以外にも、最低限の生活に必要な様々な費用が出されることがあります。

生活に必要な家財を購入するための費用もそのひとつ。 例えばケースワーカーから転居を指導されて新しく契約した部屋にエアコンがついていない場合や、保護施設からアパートに引っ越しが決まった時に家財一式を揃える必要がある場合などに支給されます。けれど、実際に購入するとき、どんな家財に対していくらまで出してもらえるのか、費用はどのように支給されるのかよく分からず、本当に必要なものを購入できていない人が多いのも現実です。

今回は、「生活保護を受けていたら、布団やエアコン、炊事用具などの家財は支給してもらえるのか?」と疑問を持つ方に、支給されるケースとされないケースについて紹介します。

エアコンや炊事用具などの家財は支給してもらえるの?

生活保護を開始して生活に必要な家財を持っていなかったり、長期入院から退院して家財がない場合などに限って、「臨時的一般生活費」という名前で、月々の生活保護費とは別にお金を出してもらうことができます。

臨時的一般生活費には、子どもの出産や入学の時に支給されるお金、通院時にかかる交通費に支給されるお金など、様々な種類があります。

家財を購入する時は、「被服費」または「家具什器費」という種類の費用を支給されることになります。

家財購入のお金が出る場合
  • 生活保護を開始した時に、生活に必要な家財を持っていない場合
  • 長期間病院や施設にいて、家財を持っていない人が一人暮らしをはじめる場合
  • 災害にあい、家財を失ってしまった場合
  • 引っ越しをする時に、家財を新しく購入する必要があると認められた場合 ・犯罪やDV被害から逃げて生活する新しい場所に、家財がない場合(家具什器費のみ)

出典:厚生労働省 社会・援護局長通知 第7-2-(5)被服費、第7-2-(6)家具什器費

水嶋さら
水嶋さら

要件に当てはまらない場合は、毎月の保護費から計画的に購入しなければいけません。

どんな家財を購入してもいいの?

家財購入費用の支給が認められるのは、布団、エアコン、炊事用具などの最低生活に必要なものだけです。

お金を出してもらえるもの
  • 布団
  • 暖房器具(電気ストーブ、ホットカーペット、コタツなど)
  • 冷房器具(エアコンなど)
  • 食器
  • 食事のために必要な炊事用具(ガスコンロ、IHコンロ、電子レンジ、炊飯器、冷蔵庫、キッチン用給湯器など)
  • テーブル
  • 収納家具
  • カーテン
  • 照明
  • 掃除機
  • 洗濯機

反対に、最低生活には必要ではないとされているため、認められないものも多くあります。必要な場合には、毎月の生活保護費の中から自分で購入しなければなりません。

お金を出してもらえないもの
  • パソコン
  • 携帯電話
  • テレビ
  • DVDレコーダー
  • ゲーム
  • 浄水器
  • ドライヤー
水嶋さら
水嶋さら

携帯電話がないときは安く購入する方法を探して、なるべく早めに持つことが自立につながります。

いくらまで出してもらえるの?

布団を購入するために必要な費用は「被服費」という名前で、それ以外の家財は「家具什器費」という名前で、毎月の生活保護費とは別に支給されます。基本的には下の金額の範囲内で支給されることになります。

家財の種類費用の種類支給される上限額
布団
被服費20,300円
※既にある布団を再生(リフォーム)する場合は1組13,900円まで。
暖房器具
(電気ストーブ、ホットカーペット、コタツなど)
家具什器費2,3000円
※やむを得ない事情があると判断された場合は、58,000円まで。
冷房器具
(エアコンなど)
家具什器費58,000円
※エアコンの場合、取り付け費用は別。取付費用の上限額は特にないが、なるべく安価なものを。
それ以外の家具
家具什器費30,600円
※やむを得ない事情があると判断された場合は、48,800円まで。
出典:厚生労働省告示 生活保護法による保護の基準

上限額を超えてしまったらどうなるの?

上限額を超えた分は当然自己負担になります。

「やむを得ない事情」と判断されれば、「特別基準」といわれる上限額を支給してもらうことができますが、そう簡単には認められません。

家具の購入に困ったら

生活保護を開始したときや、引っ越しのとき、多くの人は新しい家具が必要になります。「生活保護だから」と我慢せず、必要なものをなるべく安い金額で購入できるよう、ケースワーカーに相談しながら準備していきましょう。

この記事を書いた人

社会福祉士・認定心理士の水嶋さらです!
1980年代生まれのアラフォー。都内在住。

これまで、福祉事務所や児童福祉施設、更生施設など、様々な福祉現場で働いてきました。
このサイトでは、生活保護を受けている方や、これから受けたい方に役立つ情報を発信していきます。

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