生活保護を受けている多くの人は一人暮らしの高齢者ですが、その他にも、外国人・母子家庭・父子家庭・夫婦・内縁関係の夫婦など、さまざまな世帯がいます。
そんななか、「デイケアで出会った人と結婚したい」「収入がある人と結婚することになったがどうすればよいか」などの相談も時折あります。
今回は、「結婚したら生活保護は廃止になるのか」と疑問を持つ方に、結婚と生活保護の関係について紹介します。
結婚したら生活保護は廃止になるの?
収入が高い人と結婚して、収入が世帯の最低生活費を超えたら廃止になり、収入が低いまたはない人と結婚した場合は継続になります。
生活保護が規定している「最低生活費」は、住んでいる場所・年齢・病気の有無・子供の有無によってそれぞれ異なります。
結婚した場合は、結婚する相手と自分自身の最低生活費が再度計算され、相手にそれ以上の収入があれば廃止になります。
水嶋さら
パート先の上司と結婚して、晴れて生活保護が廃止になった人もいます。
廃止になるのはどんな場合?
結婚して、下のような状況になった場合は廃止になります。
廃止までの流れや手続きは?
結婚して別の自治体に夫婦で住む場合 | 引っ越しの日が決まったら、近くの出張所に転出届を出しに行き、郵便局で転居の手続きを行う必要もあります。転出日の次の日が生活保護の廃止日になります。 転出届を出した旨をケースワーカーに報告したら、間もなく生活保護廃止の通知が届きます。 生活保護廃止の通知は、国民健康保険に加入するときに必要になるので、必ず捨てずに保管してください。 |
結婚相手が働いていて、扶養の意思がある場合 | まずはケースワーカーに相談します。 結婚相手に扶養する意思があることを確認するため、扶養届の提出を求められたり、相手の収入が分かる給料明細などの提出を求められる場合もあります。 |
結婚相手が働いていて最低生活費以上の収入がある場合 | まずはケースワーカーに相談します。 結婚相手に扶養する意思があることを確認するため、扶養届の提出を求められたり、相手の収入が分かる給料明細などの提出を求められる場合もあります。 |
継続できるのはどんな場合?
結婚して、下のような状況になった場合は継続できます。
結婚したあとの継続の流れや手続きは?
結婚したあと、本人が住んでいる部屋で同居する場合 | 結婚相手が生活保護の申請をすることで一つの世帯として認められます。 結婚相手が既に生活保護を受けている場合は、引っ越しによって結婚相手の担当のケースワーカーも変更します。 生活保護を受けていない場合は、新規の生活保護の申請と同じように、多くの書類の提出が必要になります。 |
結婚したあと、結婚相手が住んでいる部屋で同居する場合 | 結婚相手が既に生活保護を受けている場合は、引っ越しによって担当のケースワーカーが結婚相手の担当ケースワーカーに変更となります。 相手が生活保護を受けていない場合は、新規の生活保護の申請と同じように、多くの書類の提出が必要になります。 |
結婚したあとも別々の部屋で暮らす場合 | 世帯が別なので、結婚相手に生活保護申請の意思がなければ、結婚相手は生活保護を受けずにこれまでどおり生活保護が継続になります。 ただし、結婚相手から生活費などのお金を受け取った場合は、収入として申告する必要があります。 |
結婚する前に流れを確認しておこう
生活保護を受けている人が結婚することは珍しくはありません。また、結婚は自立につながることとして、祝福されます。結婚後はどのような生活をしていくのか想定しながら、事前に流れを確認しておきましょう。
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